翻訳協力:谷口 暢夫(Masao Taniguchi)、稲生 章人(Akihito Inou)
ようこそ!記憶に残る一年
となりました
2022 年を振り返ってみると、私たちが共に乗り越え、達成できたことに深い誇りを感じます。私たちには直面し、取り組み続けている共通的な課題はありますが、一方でクラウドネイティブ エコシステムは躍進しつづけています。私たちは新しい産業やプロジェクトを歓迎し、コミュニティをデンマークの人口を超える 710 万人のクラウドネイティブ デベロッパーにまで拡大しました。
クラウドネイティブはキャズムを越え、これまで以上に多くの組織がソフトウェア企業になりつつあります。このことは、KubeCon + CloudNativeCon イベントでも反映されていて、メルセデスベンツやボーイングといった顔ぶれが有名なテックブランドたちとともに見出しを飾り、基調講演を行いました。
もちろん、これは本当にグローバルで迎え入れてくれる、「Doer」たちののコミュニティである #TeamCloudNative なしでは不可能だったことでしょう。17 万 8,000 人を超えるコミットメントとコントリビューションに一個人としてみなさんに感謝します。それらのインパクトが大きくても小さくても、そこが問題ではなく私たちがこの旅路(Journey)を共に歩んでいる、ということに意味があります。
私たちが歩んできたマイルストーン、今年一緒に達成してきた素晴らしい前進について本レポートを読みながら振り返っていただければと思います。
が世界中のトランスフォーメーションをドライブする
は 6 大陸にまたがる
がコンピューティングに根底から変化をもたらす
2022 年ハイライト写真
2022 年
その勢い(モーメンタム)
(KubeCon + CloudNativeCon) 「Hallway track」でされる会話の内容が、エンタープライズ領域の対応する方向へとシフトしてきています。このショーには Ford、Mass Mutual、ING や Home Depot といった企業を迎え入れました。私たちがよく知り、愛着もあるこれらの大企業のすべてがソフトウェア企業になるさまを、目の当たりにしています。
Lisa Martin
SiliconANGLE
CNCF は、クラウドネイティブ コンピューティングをユビキタスにすることを目的とした、オープンソース ソフトウェアのファンデーション(財団)です。私たちは、2015 年に設立されて以来、クラウドネイティブ 技術を開拓してきました。Kubernetes、Prometheus、Envoy、ContainerD 、その他多くの 世界で最も成功しているオープンソース プロジェクトをホストし、育ててきました。
現時点で 189 か国、178,000 人以上のコントリビューターを含む 157 のプロジェクトをホストした発電所(Powerhouse)となっています。そしてこの成長が鈍化する兆しはありません。
コントリビューターの伸び
メンバー、エンドユーザー、プロジェクトの伸び
メンバーシップ
CNCF のエコシステムは、CNCF をこれまで最も成功したオープンソースの財団の1つにたらしめながらベンダーやエンドユーザーのメンバーシップといった境界を超えた成長を続けています。 その証左としてこの年 220 を越える新メンバーたちを CNCF に迎え入れました。
現在、CNCF には、世界最大のパブリックおよびプライベート クラウドの企業、世界最高レベルのイノベーティブなソフトウェア企業およびエンドユーザー組織を含めた 850 を超える組織が参加しています。こういった先進的な組織からの投資は、むこう数年のクラウドネイティブ コンピューティングの進展や持続可能性に対する強力な献身を意味します。
うち 19 は中国から
組織
2021 年から 15% の伸び
CNCF メンバシップの増加
CNCFのプロジェクト上で構築、もしくはCNCF プロジェクトをインテグレーションしたクラウドネイティブなテクノロジを販売している組織であれば、一般メンバー(General member)として参加する資格があります。
立役者となったメンバー
新たなゴールドメンバー
新たなプラチナメンバー
エンドユーザー コミュニティ
Cloud Native Computing Foundation (CNCF) のエンドユーザー企業とは、クラウドネイティブ テクノロジを社内で活用していて、クラウド ネイティブ サービスを外部向けに販売していないメンバー企業のことです。ベンダー、コンサルタント企業、トレーニング パートナー、またはテレコムキャリアといった企業はこれにあたりません。
エンドユーザー企業では、一人ひとりがクラウドネイティブ アーキテクチャを駆使し問題を解決すること、より包括的で繰り返し活用できるプロセスを生み出す、セルフサービス型のソリューションをチームに提供することに情熱を注いでいるのです。
のエンドユーザー メンバー
CNCF は、オープンソースの精神、自由と選択可能(Freedom and Choice)の精神を具現化し、同時に高品質なクラウドソフトウェアの同義語にもなりました。クラウドインフラストラクチャ用のソフトウェアを構築する必要に迫られるたびに 私たちが最初に行うのは、「CNCF ランドスケープ(CNCF landscape)」にアクセスし、利用可能な選択肢を評価することです。
Madhu CS
Robinhood
CTO サミット
さまざまなチームがクラウドネイティブの戦略を採用するにつれてわかってくるのは、組織が直面する課題に対する「万能の」ソリューションというものはない、ということです。それが CNCF が 2022 年に CTO サミットを立ち上げた理由です。「チャタムハウスルール」で執り行われるこのサミットでは、エンドユーザー企業の CTO が招集され組織がクラウドネイティブ コンピューティングのレジリエンスを向上していく上で、人、プロセス、テクノロジーをどう活かせるのか、を議論します。
私たちは、Boeing、Fidelity、Intuit などのエンドユーザーが一堂に会し、組織にある技術的な課題にどのように対処しているかについて非公開で対話できる CTO サミットをはじめました。しばしば、インパクトがある教訓というものは仲間たちから得られるものなのです。
Priyanka Sharma
Executive Director, CNCF
新たな CNCF.IO
5 月、デザイン新たに再構築された、CNCF.io がローンチされました。新たなサイトでは、より効果的で活気に溢れインタラクティブにコミュニティを表現することにフォーカスしています。さらに共有エリアが追加され、 CNCF やエンドユーザー関連のコンテンツ、イベント、ニュース、ブログ記事を提供しています。また、ダイナミックなメガメニューと簡素化されたナビゲーションのおかげで、UX やナビゲーションが改良されました。重要なことは、私たちがアクセシビリティを強化している ― Web コンテンツ アクセシビリティ ガイドライン (WCAG) 2.1 に従い、CNCF.io でレベル AA のアクセシビリティを目指している ― ということです。この 1 年を通し コントリビューターたち(Contributors)を含む CNCF サブサイトに新デザインを展開し、全サイトに WCAG ガイドラインを適用しました。
クラウド ネイティブの「人間」たち(Humans of Cloud Native)
CNCF の中心には、クラウド ネイティブをユビキタスにするべく、 Doer たちが協働する、懐の広いコミュニティがあります。今年、私たちはヒューマンズ オブ クラウドネイティブ (Humans of Cloud Native) プロジェクトを立ち上げ、ここでチーム クラウド ネイティブを活気溢れ、刺激的で多様な空間にしてくれる素晴らしい人たちや、そのコントリビューションの物語を伝えています。
イベント
KubeCon で提供されているものを見たら、2015 年 の始まりからの過去の KubeCon すべてを見逃してしまっていたことが残念でなりません。ベテランのクラウド ブロガーにとってこのカンファレンスは、分散型開発の未来が見られる、のぞき窓のような場なのです。
Ofir Nachmani
IamOnDemand
今年、私たちのコミュニティは対面式のイベントに安全に戻ることができ、私たちはこのことを歓迎しました。それと同時に、CNCF は引き続きデジタル化を強化し、世界中のあらゆる場所からのコラボレーション、学習、ネットワーキングの機会を提供するべく、すべての主要イベントへの仮想のアクセスを可能にしました。
Kubernetes
Community Days
地域ごとに進化するクラウドネイティブ コミュニティのニーズに応えて、今年CNCF は Kubernetes Community Days (KCD)プログラムを強化しました。KCD は、世界中で Kubernetes やクラウドネイティブ テクノロジの採用と改善を促進することを目的とした、採用する側と技術者を集めて学び、コラボレートし、ネットワークを構築する、コミュニティ主催のイベントです。
を対面、バーチャル、およびハイブリッドで開催
が多言語で
インドネシア語)
2021 年から 85% の増加
世界中で開催
KCD の進化
また、プログラムの成功に向け、KCD コミュニティや主催者をサポートする、さらなる施策を行いました。
- KCD GitHub リポジトリの主催者(オーガナイザー)側の利用規約が更新され、オーガナイザーの既存の要件としてのインクルーシブ オープンソース コミュニティ オリエンテーションの受講に加え、新たな条項が追加されました。新しい条項は次のとおりです。
- 最終的なプログラムスケジュールが多様なものとなることについて同意すること(たとえば、すべてのスピーカーが 1 つの性別、単一の文化、または年齢層となっていないこと、など)
- 多様なラインナップが確保されるよう、プログラムの公開前に kcd@cncf.io に送信しレビューの実施と承認を得ること
- 主催者側は、スピーカーのラインナップとして企業の代表者が(偏らず)多様であることを確実にすること
- 私たちはKCD の主催者に対し、コードではなく技術的ではないコントリビューションのセッションを考慮し、含めることを推奨しています
- 私たちは7 月、計画段階での主催者へのガイドとなるトピックを含む、毎月 1 時間のオーガナイザーミーティングをはじめました。8 月のテーマは「どのようにして多様なラインナップをキュレーションするか?」でした。このミーティングでは、主催者向けに、限られたスケジュールの中でどう多様性を築き、取り込んでいくか、必要となるリソースや推奨事項について取り上げました。ここで私たちはスライドの提供と併せセッションの録画を実施などで支援しています。
Code of Conduct (行動規範)
のプロセス改善
私たちが対面イベントに戻ったとき、Code of Conduct 関連のインシデントについて発生数と深刻度の両方が増加しました。Code of Conduct への関心が高まったことで、以前はその全体をファンデーション側で管理していたプロセスを、コミュニティの代表者を含めて透明性を高めることでモダナイズする(今に即した形にする)必要性が浮き彫りになりました。その結果、今年以下のような取り組みが行われました。
- 一連の手続きと構造のアップデート版を開発するために Code of Conduct ワーキンググループを立ち上げました。その取り組みは目下進行中であり、コミュニティの誰にでも参加してコントリビューションする機会があります。ワーキング グループへ参加したり、進捗をチェックやその他詳細情報についてはリポジトリにアクセスしてみてください 。
- また、より恒久的な構造についてワーキング グループによって検討が進む一方で、コミュニティメンバーとスタッフの両方で構成される Interim Code of Conduct Committee(暫定的な行動規範委員会)を立ち上げることでインシデントに対応するようになりました。委員会が運用しているThe Incident Resolution Procedures (インシデント解決手順) は、今年初めに公開され、パブリック コメント期間を経て最終的なものとなりました。
KubeCon +
CloudNativeCon Europe
KubeCon + CloudNativeCon Valencia は、ヨーロッパで #TeamCloudNative を集めた3 年ぶりのイベントとなり、刺激的な雰囲気に満ちた場となりました。実際バレンシアでは、いままで経験したことのない初めてのことがたくさんありました。Boeing(ボーイング)社がプラチナメンバーとして参加しました。CNCF でははじめての航空宇宙業界からの参加です。また、通信業界では Cloud Native Telco Day を初めて開催し、業界を進化させている Deutsche Telekom や Orange などの大手が集まりました。加えて最初の CTO サミットを主催し、組織がマルチクラウド戦略レジリエンスを達成できるアプローチについて議論されました。
参加者のデモグラフィック
コンテンツ
件の提案
人のスピーカー
参加人数上位国
合計
3,035
2,463
1,798
対面参加
1,309
1,060
725
バーチャル
1,309
1,702
1,403
ハイライト ビデオ
KubeCon + CloudNativeCon
North America
KubeCon + CloudNativeCon North America は中西部としてこれほど多くの人が集まった初めてのイベントとなり、デトロイトは素晴らしい開催都市となりました。Sonatype とのパートナーシップでは Security Slam を含め、多くの新たなイニシアチブを立ち上げました。KubeCon + CloudNativeCon では、ウクライナ軍従事から短期間の休暇で参加した「Senior Developer Advocate」の Ihor Dvoretskyi を歓迎するなど、いくつか特別なサプライズもありました。
参加者のデモグラフィック
コンテンツ
件の提案
人のスピーカー
参加人数上位国
合計
10,568
1,739
748
対面参加
5,744
291
184
バーチャル
4,824
1,664
457
ハイライト ビデオ
トレーニングと
認定
CNCF は、2022 年にクラウドネイティブ エコシステムを成長させるというコミットメントを強化しました。世界的に認められた認定資格を広め、雇用機会を増やし、より多くの人々がクラウド ネイティブ テクノロジーの実践的適用ができるスキルの向上を支援します。
今年、私たちは Prometheus 認定アソシエイト (PCA:Prometheus Certified Associate) を立ち上げしました。これは、エンジニアのオブザーバビリティとスキルに関する基礎知識、および監視およびアラートのオープンソースのツールキットである Prometheus の活用スキルを証明します。
また新しい一連の資格として SkillCred.も始まりました。これらにより、学習者は自分の経験に関係している、より具体的なトピックに関するスキル証明資格を取得できるようになります。最初の SkillCred には、Developing Helm Charts (SC104) と Open Data Formats: YAML (SC101) の2つが含まれています。これらの「マイクロクレデンシャル」はトピック固有で、短時間の試験で、コスト的にも安価です。
トレーニングと認定の重要性、およびCNCFのトレーニングコースが開催されるという話は、今年中国で今年強調されました。外国人はCKA認定を取得する場合、北京のビザを申請できるようになりました。
2022 年トレーニング
コース
CNCF のトレーニングおよび認定プログラムは成長を続けました。2022 年、これらのトレーニング コースと認定試験は大きな関心を集めました。
プロジェクト アップデート
と満足度
CNCF は 2022 年を通じ、クラウド ネイティブをユビキタスにするコミットメントを強調しつづけました。CNCFでは 189 か国を代表する 178,000 人を超えるコントリビューターたちによって推進された 20 の Graduated プロジェクト、35 の Incubating プロジェクト、102 の Sandbox プロジェクトをホストしています。
受け入れられたプロジェクトの推移
Technical Oversight Committee(技術監督委員会)は、2022 年にクラウド ネイティブにおけるセキュリティを強化しました。また、クラウドネイティブ コンピューティングに関する炭素排出量に焦点を当てた新たな技術諮問グループ(Technical Advisory Group)となる、「TAG Environmental Sustainability」 を発足を承認しました。
CNCF プロジェクトの速度
CNCF プロジェクトの速度(Velocity)や、上位に位置するオープンソースプロジェクトを定期観測することで、開発者やエンドユーザーが共鳴しているトレンドをとてもよく知ることができます。その結果として、成功に向かうであろうプラットフォームについての洞察を得ることができるのです。
814人の作者
580人の作者
255人の作者
69人の作者
399人の作者
115人の作者
275人の作者
258人の作者
126人の作者
160人の作者
145人の作者
3619人の作者
122人の作者
259人の作者
1133人の作者
424人の作者
99人の作者
44人の作者
54人の作者
257人の作者
51人の作者
101人の作者
プロジェクト速度に関する重要ポイント(Takeaways)
- 最大規模のコントリビュータ ベースとともに、Kubernetes は成熟し続けている
- OpenTelemetry は、CNCF エコシステムで 2 番目に速度が高いプロジェクトになり、コントリビューター ベースを増やしている
- Backstage は今年最も急速な成長軌道を目の当たりにした 1 つで、クラウド ネイティブのデベロッパー エクスペリエンスに関する重要な問題点を解決しようとしている
- GitOps は、Argo や Flux などのようなプロジェクトが大きなコミュニティを育て続けており、クラウドネイティブ エコシステムにおいて重要なテクニックであり続けている
セキュリティ
CNCF は、Open Source Technology Improvement Fund (OSTIF) との戦略的パートナーシップにより、2022 年を通じて多数のオープンソース セキュリティ監査を実施しました。多くのプロジェクトがセキュリティ監査を完了しました。この結果 132 件のセキュリティ修正や改善、45 件の CVE 修正、51 件のセキュリティ ツールの構築が行われました。また、2023 年に開始される初の CloudNative SecurityCon も発表しました。ここではアプリケーション開発者と最新のセキュリティ専門家が、過去のもの漸進的に改善するソリューションを提案するだけでなく、最先端のプロジェクトとモダンなセキュリティ アプローチについての機会を提供します。
さらに、CNCF はさまざまなプロジェクトのファジング監査に資金を提供し、その結果、何百ものバグ発見につながりました。
以下の CNCF プロジェクトは、セキュリティ監査またそれにかかる作業が完了しています
改善ポイントの概要
のセキュリティFIXと改善
の CVE の報告および修正 ここには5 件のクリティカル案件 10 件の深刻度の高い発見と修正が含まれる
のセキュリティ ツールの構築
といったタイプの脆弱性のFIX
テレコムの進歩
2022 年はテレコム 業界でCNCF のフットプリントが増加した年となりました。5 月に、クラウドネイティブ ネットワークファンクション認定プログラム(Cloud Native Network Function (CNF) Certification Program) のベータ版 が発表されました。これは、通信サービス プロバイダー (CSP) たちが彼らが使うベンダー製品がクラウドネイティブの原則にどの程度準拠しているかを検証し、クラウド ネイティブのベストプラクティスに沿った方でベンダーにアドバイスするのを支援するプログラムです。このプログラムは Vodafone、Deutsche Telekom、DISH Wireless などの CSP によってサポートされており、 クラウドネイティブ ネットワークファンクション (CNF) ワーキンググループのベスト プラクティスによってガイドされ、CNF テストスイート上で認定テストも行います。
ハイライト
つの Cloud Native Telco Days が開催
Kubernetes API
エンドポイント テスト
APISnoop によって行われている Kubernetes API の適合テストの 100% カバレッジの目標へ向けて、2022 年に大きな進歩がありました。APISnoop はコミュニティ主導のプロジェクトで e2e テストの実行によって作成された監査ログを分析することにより、テストと適合カバレッジを追跡します。このプロジェクトは長年にわたる CNCF のコントリビューターであり、コミュニティ リーダーの Hippie Hacker が率いています。
2022 年の初めの段階でテスト未実施のエンドポイントが 85 残っていました。
3 つのリリースにわたって適合性テストが追加されました。
1.24 - 16 個のエンドポイントのテスト完了
1.25 - 23 個のエンドポイントがテスト完了
1.26 - 10 エンドポイントのテスト完了
エンドポイントのテスト結果
これと同時に、適合性テストで 26 のエンドポイントが不適格であると認識され、不適格エンドポイント リストに移りました。2022 年末までの段階でテストされていないエンドポイントは 10(2.5%) となりました。Kubecon + CloudNativeCon Europe 2023 までには、この最後の技術負債が解消できると期待しています。
CNCF Kubernetes Conformance Certification リポジトリの自動化がアップデートされ、内部の機能改善が進み、ユーザーエクスペリエンスが強化されました。CNCF-CI ボットは、提出した要求事項が受け入れらなかった場合、より詳細な説明も提供するようになりサポート ドキュメントも改善されました。これらの変更は、Kubernetes 適合申請をレビュー、 承認する際の複雑さを軽減することに役立ちます。
プロジェクトの動き
受け入れられたCNCFプロジェクト
2022 年、CNCF TOC は 35 の新しいプロジェクトを Accept しました。
プロジェクトは、エンドユーザーやベンダーでの採用を達成したり、コードコミットとコードベースの変更における健全といえる割合を確保したり、複数の組織からのコミッターを引き付けたりしたことを TOC に示すことで、その成熟度を高めていきます。
Graduated プロジェクト
Incubation レベル
インキュベーション レベルで新たに参加、もしくは Sandbox から Incubation に移ってきたもの
Phippy と仲間たちがクラウドネイティブ
コンピューティングを説明するよ
ささやかなPHPアプリである Phippy は、コンテナ化から自動化にいたる、クラウドネイティブコンピューティングを理解するために何千もの人たちが踏み出す最初の一歩を助けてくれます。今日、Phippy とその仲間たちの使命は、クラウドネイティブコンピューティングの神秘を解き明かし、そのわかりづらい概念を、納得感があり、おもしろく、そしてわかりやすい形で説明することにあるのです。
2022 年は 2 つのプロジェクトがキャラクターを寄贈してくれました
Phippy と仲間たちが が 3D に大変身
「Phippy と仲間たち」ファミリーに参加しましょう!
ドキュメンタリー
の紹介
今年、CNCF は 2 本のドキュメンタリー映画の立ち上げを支援しました。このドキュメンタリー映画は、このダイナミックなメディアにおける開発ストーリーを伝えることで、開発者たちの人間味を引き出していくという私たちの使命をサポートするものとなりました。2022 年 1 月、「The Origins of Kubernetes (Kubernetes の起源)」として YouTube デビューしました。この 2 部構成のドキュメンタリーは、世界中の視聴者を引きつけ続けていて、合わせて 463,000 回の再生回数を獲得しました。
「Inside Prometheus 」は、2022 年 10 月の Prometheus Day North America で KubeCon + CloudNativeCon NA の一部としてデビューし、これまで YouTube で 59,000 回の再生回数を獲得しました。どちらの映画も、私たちの働き方や今日の生活を変えようと逆境や技術的課題に立ち向かった先見の明のあるエンジニアたちの生の声や顔を捉えることに成功しています。
コミュニティと多様性
へのエンゲージメント
CNCFのコミュニティは、コントリビューター、メンバー、Meetup やアンバサダーといったさまざまな形で世界中に広がっています。
2022 年、私たちはコミュニティ主導でのイニシアティブに投資し、持続する勢い、広がり、成長、そして活用にさらに燃料を注いでいくべく、#TeamCloudNativeへのコミットメントを強化しました。このエコシステムが誰でも成長できるような、人を受け入れ親しみやすい場所になるように DEI イニシアティブへ焦点を当てつづけていることは重要な意味をもちます。
多様性、公平性、包摂性(Diversity, Equity, and Inclusivity)
CNCF は、この驚異的なクラウドネイティブコミュニティの発展を引き続き支援するとともに、参加するみなさんすべてが、性別、ジェンダーアイデンティティ、性的指向、障がい、人種、民族、年齢、宗教、経済的地位にかかわらず、受け入れられていると感じられるように努めています。今日まで、私たちは Dan Kohn Scholarship Fund を通じ、ダイバーシティ奨学金とニーズベース奨学金を5,000 以上提供してきました。
女性、ジェンダーノンコーフィミングなスピーカーたち
提供される奨学金
私たちは以下の人たちに奨学金を提供しました
人のダイバーシティ応募者たち 歴史的に少数派かつ/もしくは疎外されたグループから
人のニーズベース応募者たち がKubeCon + CloudNativeCons および CNCF が主催する併催イベントに参加
奨学金は以下のスポンサーからファンドされました
コミュニティアワード
今年で6年目を迎えた CNCF コミュニティアワード では、すべての CNCF プロジェクトで最も活動的なアンバサダーとトップコントリビューターが選ばれました。以下を含めたアワードが授与されました。
トップ Cloud Native コミッター
一つもしくはそれ以上の CNCF プロジェクトにおいて、驚くべき技術スキルを持ち著しい技術的成果を上げた個人に対して授与されます。
Carolyn Van Slyck @carolynvs
トップ ドキュメンタリアン
このアワードは、CNCFやそのプロジェクトに対する卓越した文書化への貢献を称するものです。
Catherine Paganini @CathPaga
Rey Lejano @reylejano
Chop Wood & Carry Water アワード
CNCF は、日常のありふれたタスクに数え切れないほどの時間をかけて貢献してくれているコントリビューターたちを称えるべく「木を切り、水を運ぶ(Chop Wood and Carry Water)」アワードを設けています。 CNCF は、2022 年際立ったコントリビューションを行った5人の、その素晴らしい取り組みに対し感謝の意を伝えました。
Adolfo García Veytia @puerco
Alex Chircop @chira001
Catherine Paganini @CathPaga
Patrick Ohly
Xing Yang @2000xyang
CNCF Meetupが
Community Groupに
2022 年、クラウドネイティブコミュニティは Meetup のプラットフォームから Cloud Native Community Groups に移行し、新たなプラットフォームとして離陸しました。新たなプラットフォームは、Meetup、オンラインプログラム、プロジェクトによる「Office hours」、コミュニティ イベントなどが行われる唯一の場となっています。私たちは、現在 31,500 人以上のメンバーがいるこのプラットフォームの、今後の継続的成長に熱視線を送っています。
2022 年の Community Groups
人以上の参加者
のイベント
のチャプター
メンタリング
とエコシステムのリソース
CNCF は 2022 年を通じ、急速に成長するエコシステム ― クラウドネイティブ テクノロジーに対する世界的需要の増大に対応するために大きくなってきている ― をナビゲートし運営するためのプログラムを開発をしながら、個人のコントリビューターやコミュニティグループとの連携を密にしました。
新たなエンドユーザー グループ
CNCF Transportation User Group の目的は、輸送および物流を担う組織におけるクラウド ネイティブの議論や進化のための中心的ミーティング ポイントとして機能することにあります。これには、従来型の慣行をリストアップし、ギャップを明確にしワークフローを改善するための取り組みへと方向づけることが含まれます。
CNCF Glossary(用語集)
Cloud Native Glossary は、CNCF Business Value Subcommittee が主導するプロジェクトです。その目標は、事前の技術知識を必要とせずに、クラウド ネイティブの概念を明確で簡単な言葉で説明することです。
今年、新たに7言語の CNCF Glossary 翻訳版が寄贈されました
コミュニティ メンタリング
CNCF は、さまざまなメンタリング、インターンシップの機会を通じた支援をしています。手前味噌ではありますが、LFX メンターシップ プラットフォーム、Google Summer of Code (GSoC)、Google Summer of Docs (GSoD) プログラム、Outreachy など、さまざまなメンタリングやインターンシップの機会を通じて、2022 年には 100 人以上の個人に支援を提供することができました。これらのプログラムは、私たちが依存するであろう将来のテクノロジーに対しインターンシップに影響力を与える、重要な触媒なのです。
8 月、TAG Contributor Strategy は Mentoring Working Group を承認しました。 このワーキング グループの主な目標は、CNCF メンターシップ イニシアチブをコミュニティに管理してもらうこと、そうすることで、新たなメンターシップ プログラムの成長や新たなプログラム開発に必要な能力を供給する支援をすることです。
28 の CNCF プロジェクトに取り組めるよう 106 人の学生のスポンサーとなりました。
86 人
3 人
16 人
1 人
Who we are(私たちについて)
内部では、さまざまなバックグラウンド、ロケーションから 41 人を雇用しています。61% が女性で 39% が男性です。Governing Board と Technical Oversight Committee で構成される CNCF のガバナンス リーダーシップについては女性 20%、男性 80%となっています。
スタッフ
ガバナンス リーダーシップ
エグゼクティブ リーダーシップ
ファンディング
CNCFの収益は、メンバーシップ、イベントおよびスポンサーシップ、イベント登録、トレーニングの 4 つを主として資金調達をしています。
4つの資金調達先
支出
CNCF、主催するカンファレンス(KubeCon + CloudNativeCon など)、そしてオープンソースの背後には基本的前提にあることは、インタラクションは総じて(「ゼロサム」ではなく)「ポジティブサム」なもの、ということです。投資、マインドシェア、開発へのコントリビューションの数量について固定的に特定のプロジェクトへ割り当てるということはしません。そして同様に重要なことは、プロジェクトとコミュニティに対する「中立な家(Neutral home)」が、この種のポジティブサム思考を育て、オープンソースプロジェクトが成功するためのコアだと私たちが信じる成長と多様性を牽引していく、ということです。
ありがとうございました
2022 年、みなさんとともに達成したすばらしい成果すべてが、皆さんの脳裏によみがえっていたとしたらうれしくおもいます。
ご意見・ご感想は info@cncf.io までお寄せください(英語となります)。
お近くのコミュニティ イベントのカレンダー をご確認ください。そして2023 年 4 月にアムステルダムで開催される KubeCon + CloudNativeCon Europe に登録することもお忘れなく。